シーサー見つけた

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沖縄県内のあちらこちらで見かけるシーサー。屋根の上から睨みをきかせていたり、民家の門柱に雄と雌で鎮座していたり。観光施設などには見上げるほどの大きな巨体で訪れる人を歓迎してくれるシーサーもある。もともと獅子像として中国から伝来し、お城の至る所や集落の入口に築かれ、権力の象徴や魔除けの役割を果たしてきた。基本的な姿勢は両前足を揃えて座っている「立ち」と、地を這うように頭を下にして尾っぽを空高く突き出している「張り」(沖縄の方言ではホーヤーと言われている)。その姿は時代の変化と共に多様化しているが、今もなお県内ではお守りのような存在で、普通の暮らしの風景の一部として馴染んでいる。

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ヤチムンの村、読谷村でもそんなシーサーを作っている工房があり、先祖代々シーサーを手がけていたり、雑器と平行して作陶する職人もいる。ひも状にした土をぐるぐると巻いて積み上げていく「手びねり」や、体の形のみ型を用い、耳や巻き毛、しっぽなどを後から加える「半型」などの作陶方法によって一つひとつ丁寧に仕上げる。うつわとはまた違う、作る人の体温が感じられる手作りのシーサー。それは「だんだんと作る人の顔に似てくる」と言われる所以だろうか。どんな人が作ったのだろう…そんな想像も楽しい。

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