お気に入りが増える食器棚

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毎年少しずつうつわが増えていく、浜川さんの家の食器棚。収まりきらなくなった焼き物はキッチンと繋がるリビングにも並び、ディスプレイとして飾られていた。「集めだして15 年くらいになるかなぁ」と笑って話す浜川秀樹さんの自宅は、読谷村の海近くに建つ。コンクリート打ちっ放しのモダンな空間に、民芸調のヤチムンがなんともよく映える。毎年読谷村の工房が一堂に集まり開催される陶器市や、気になる作り手の工房に直接訪れて、うつわを収集しているという。

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「形や色に個性があり、量産品とは違ったおもしろさがあります」と話す浜川さんのセレクトは幅広く、ベテラン陶工の作品だけではなく、新しく築窯した若手作家の作品も多い。「若い人がどんどん出てくるのは楽しみですよ」と、うれしそうに話す姿からは、温かい“ ヤチムン” 愛を感じた。「息子たちにも小さな頃からヤチムンを使わせていますよ」と話すように、浜川家では「自分のうつわ」がそれぞれに決まっているという。中学2 年生と小学6 年生になる二人の息子さんも自ら選んだお気に入りのお茶碗を愛用しているそうだ。「僕が子どもの頃は磁器物が中心で、食卓にヤチムンは使われていませんでした。息子たちはヤチムンを使うことが日常となっている。大人になってからも使ってくれるんじゃないかな」と期待を寄せる浜川さん。もしかしたら未来の陶芸家が、浜川家から誕生することがあるかもしれない。